創作器官

あしたの自分のために書く備忘録

2020年の振り返り 東京から地方への転勤

期待と諦め

去年も一昨年も、年はじめにブログを書こうとしたけれど、結局3日坊主で終わってしまった。
3度目の正直の2021年は、年が明ける前にブログを書き始めることにした。

このブログの最初のエントリーとして、2020年を振り返ってみる。

2020年の3月末に東京から地方へ引っ越した。引っ越しの理由は、コロナを避けての地方移住とかではなく、単純に職場の定期異動による転勤だ。
転校することになった子供には泣かれるし、多摩川近くの生活圏を気に入っていたので、正直なところ、複雑な思いだったが、コロナの感染が拡大していく状況下では、「地方への転勤するタイミングとしてはよかったのかもしれないな」と考えていた。
コロナ禍での首都圏の生活を体験していないので、首都圏と地方のどちらの暮らしがいいかを比べることはできないけれど、感染リスクが低い地方のほうがストレスが少ない生活を送れるだろう。
私たち家族は、そんな期待と不安を抱きながら地方へ引っ越した。

子供の教育格差

地方に引っ越してきて感じるのは、子供の教育に関する選択肢が絶望的なほどに少ないことだ。
私自身、地方で生まれて進学に合わせて都会に出たので、地理的なデメリットは、引っ越す前から理解していた。
それでも、東京と同じような習い事をさせようとすると、少し離れたところまで車で送り迎えをしなければならないなど、都市と地方の教育格差をあらためて身をもって感じさせられた。 コロナの影響でリモート学習が進むと、こうした教育格差の問題は多少なりとも是正されるのかもしれないが、スポーツなどの習い事はコロナの影響と少子化によってさらに選択肢が狭まるだろう。
スポーツ競技を習う環境も、お父さん監督やコーチが我流のスポ根理論で教えていることもまだまだ多く、東京で受けていた「選手の自主性に任せ、自分で考える能力を養う」という方針に理解があるところは少ない。

進まない働き方改革

緊急事態宣言が発令されると、地方の企業でもリモートワークの導入や分散勤務が実施されるようになった。 しかし、地方での流行がいったん収まりをみせると、私の勤める地方企業でも、リモートワークを実施することが難しくなった。
首都圏と地方では、時間の流れが全く違っている。首都圏での標準が5年、遅いときには10年後になって地方にやってくる。
なかなか進まなかった働き方改革が、皮肉にもコロナの流行で進むかと思われたが、地方の古い慣習を変えるのは、一筋縄ではいかないという印象だ。

ストレスフリーな職住近接

これまで地方の悪いところばかりを書いてきたが、地方でよかったと明確に言えることは、勤務場所と自宅が近くなったことだ。
勤務場所は地方都市の中心街にあるが、それでも自転車に乗れば10分ぐらいで行けるところにある。
東京に勤務していたころは、1時間以上は普通で、プロジェクトルームが変われば1時間半、ときには新幹線通勤なんてこともあった。
それから考えると雲泥の差である。通勤のストレスは無くなるし、多少残業をしても変えれば子供たちの顔を見ることができる。
職住近接が、地方に転勤してきて一番のメリットであると感じている。

惰性から抜け出そう

転勤が決まったのはコロナの流行が始まる前だったので、「地方に行ったら子供とキャンプに行こうか、海に行こうか、忙しくてできなかったスポーツを始めようか、しまってある楽器を出してこようか、疎遠になっている旧友に会いに行こうか」など、東京の生活でできなかったことをやろうと思っていたけれど、それもコロナのせいでトーンダウンしてしまった。
コロナが落ち着いて、また何もなかったかのように昔の生活に戻れることはないのかもしれない(少なくともそんなにすぐには来ないのだろう)。
ただなんとなく惰性でやり過ごしてしまった1年だったけど、コロナ禍でも、もう少し楽しく生活を送れるのではないかと思っている。
明日はそれを考えることにしよう。